たまゆりのたからばこ

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たまゆりのたからばこ

たまゆりの人生に詰まった、たくさんのだいすきなものを紹介するための自由帳です。 好きな本、好きな音楽、好きな映画、好きな場所や土地、旅のこと、登山のことや、日常のなにげないしあわせのことなどを大切に書いていきます。







私の人生を動かした作家・古川日出男さん。神話も民話も歴史も地理も、縦横無尽に跳躍する言葉の濁流。

 

こんにちは、たまゆりです〜!!

 

昨日、久しぶりにiPhoneに入っている「ブクログ」アプリを開いて、本棚の中身を整頓しつつ、本やCDのレビュー…というか個人的な感想をたくさん(?)書きました。

 

星の数は、評価とかそういうんではなく「私の人生や考え方に影響を与えた度」ということで「影響がめちゃくちゃ大きかった(大好き・人生変えたetc)」が★5、「かなり影響が大きかった」が★4でつけております。

レビューがまだ書けていないものも、星をつけさせてもらっているのは、ほぼすべて今までのたまゆりをかたちづくってきた作品たちと言って過言じゃないので、もし、気になったという方はぜひぜひ読んでみたり聴いてみたり観てみたりしてみてください!

 

 

今日はそのなかで、私が特に好きな作家・古川日出男さんについて書いてみようと思います。

まず、こちらが一昨日読了したてほやほやの小説とそのレビュー(レビューっていうのか?これ)。

 

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

 

ひさしぶりの古川日出男さん。文章が音として心地よくテンポよく目で追っているだけでトランスしていくみたい。歴史は苦手だけど、古川さん語りなら読めた。イヌの系図がつなぐ一本の糸でとてもわかりやすく、エモーショナルに。読中、読後、なんか、飼い犬のチワワのおでこの匂いすら、すごく愛おしく尊いものみたいに思えたね。古川さんのご友人のシンガーソングライター小島ケイタニーラブさんが作った「ベルカ」という曲もとても好きです。うぉん!

 

はじめて古川日出男さんの作品に出会ってから、3年くらいになるでしょうか。

レビューの中で書いている、シンガーソングライター・小島ケイタニーラブさんが小説をモチーフに作った曲「ベルカ」がずっとずっと大好きで、ずっと読みたいと思っていて、やっと読めた作品でした。すっごくよかった。

 

ベルカ(Studio live ver.)
小島ケイタニーラブ
¥ 250

今日は鳥になろう 小さな羽根になろう

おまえの目指すその場所へ

先回りできたなら

 

そうだ あれになろう

おいしい木の実になろう

疲れて眠るおまえの 顔の隣に一粒を

 

孤独の中を 消えそうになる

おまえの鼓動が聞こえる

 

ベルカ 吠えるか?

それでも走れよ

 

ベルカ 見えるか?

おまえに明日が 

 

ううう〜〜! 本当に何度聴いても大好きだ!!

 

フォークダンス
小島ケイタニーラブ
¥ 200

他にも、古川さんと小島ケイタニーラブさんが一緒に活動されている、朗読劇「銀河鉄道の夜」のテーマソング「フォークダンス」や、その朗読劇を追ったドキュメンタリーのテーマ「サマーライト」など、もう大好きな曲ばっかりです。

 

サマーライト
ANIMA
¥ 150

 

 

古川日出男さんとの出会い

あまり書いた事がなかったけれど、私は、じつは高校生くらいからずーっと長いことKAT-TUNの上田竜也くんのヲタでした。10年選手の筋金入りのジャニヲタだったんですね。今もめっちゃ好きだけど!!

またこのことについてはそのうち詳しく書きたいなあ。

 

そして、そんな上田くんの主演舞台の脚本を書かれたのが、古川日出男さんでした。

冬眠する熊に添い寝してごらん

冬眠する熊に添い寝してごらん

 

上田くんがきっかけで、古川日出男さんという人の作品に出会い、それから私は今まで知らなかった世界を覗き見るようになりました。

 

それは、今の人間社会がいったいどんな犠牲の上になりたっているのか、大量消費社会のなかでわたしたちがどんなことを「見ないふり」して生きているのかを、心の奥底に突きつけられるような感覚でした。

この「冬眠する熊に添い寝してごらん」という作品を読んで、この舞台を観た事そのものが、今の私を大きくかたちづくっているといえます。

 

 

時間と空間・現実と非現実を縦横無尽に駆ける濁流

古川日出男さんの小説に登場するのは、いつも世界の裏側。というより、誰も見ようとしない場所。

誰もが見向きもしないような世界・歴史・社会の側面、だけど決して「ない」わけではない、確実に「ある」世界の隙間、縁の下みたいな、そういうものを緻密に、エネルギッシュに、ほとばしるように描き出していくのが古川さんの作品です。

 

私が初めて手にとって読んだ古川さんの作品は超大作「聖家族」でしたが、今まで読んだ事もないような、まるで言葉に飲まれてエネルギーの濁流で溺れるような気持ちになるその読み口にただただ圧倒され、当時の私にはひたすら衝撃的でした。

聖家族

聖家族

 

 時間と空間・現実と非現実を縦横無尽に駆けていく。混沌、濁流、疾走感、そういうワードがぴったりです。

 

たまゆり@tamaoyurika

古川日出男著、聖家族。読み終えたくない。おもしろい。東北へ行きたい。ラーメンが食べたいなぁ。

posted at 05:06:22

 

たまゆり@tamaoyurika

古川さんの文章、どこまでも跳躍するものなぁ。神話、民話、歴史、地理…時代も場所もどこまでも遡るし、人間も動物も物の怪の世界へも跳ぶ。どこへ跳んでも驚いてはいけない。さまざまな隠された、あるいは描写された要素がそこかしこにあって、なんというか、油断ならない。気を抜けない。

posted at 00:34:23

 

たまゆり@tamaoyurika

私のようにアニメとかマンガとか、そういうの好きな人、好きだと思う。なんか中二病的?ハートを刺激されるじゃない。研ぎ澄まされた身体が凶器とか。兄弟とか。アニメもマンガも映画も舞台も分厚い小説も、媒体で区切って楽しめないのは勿体無いな。面白いもんは面白いな。

posted at 05:14:59

 

世の中には、こんな小説があったのか!こんな読書体験があったのか!と衝撃でした。

 

 

魅力のゆえん

古川日出男さんは、自身の作品について、あるインタビューの中でこんなふうに語っています。

 

「物語と言葉がどちらも豊饒っていうのが日本の小説にはあまりないんですよね。物語だけを追うとエンターテイメントになって文章は読みやすくなり、文章を重視すると物語性は薄くなって純文学になる。

 

純文学とエンターテイメント小説の違いって文章と物語とのバランスってことだと思うんですけど、僕は単純に両方あったほうがいいと思います。」

「ドッグマザー」著者 古川 日出男さん bestseller's interview 第40回 より引用

 

そう、古川さんの小説はいつも、言葉の濁流と跳躍する物語が複雑に絡み合って混在している。

読み応えがある、というだけでは表現しきれないほど、エネルギッシュ。

なるほど、これが魅力の所以か!!と、とても合点がいったのを覚えています。

 

 

 

 「ほんとうのうた」

冒頭でもちらりと書きましたが、古川さんは、小説家としてだけでなく、脚本家・朗読家としても精力的に活動をなさっています。

 

小説家、古川日出男が、2011年の東日本大震災後の視点から宮沢賢治の小説を戯曲化し、その公演を記録したドキュメンタリー。宮沢の代表作「銀河鉄道の夜」を原作とし、古川のほか詩人で比較文学者でもある管啓次郎、音楽家の小島ケイタニーラブ、翻訳家の柴田元幸が参加、東北をはじめ全国各地で開催した2年にわたる朗読劇公演に密着。また、舞台を中心に活動する女優の青柳いづみが彼らがたどった東北の地を改めて訪れ、朗読を通して賢治と「銀河鉄道の夜」を見つめ直す旅もとらえる。

 

2011年の東日本大震災の後に書かれたエッセイ「馬たちよ、それでも光は無垢で」。

馬たちよ、それでも光は無垢で

馬たちよ、それでも光は無垢で

 

 名古屋で行われていた、上の動画のドキュメンタリー「ほんとうのうた」の上映会のあとに読んだこの作品の中で、とりわけ印象的だった一節があります。

 

私たちは誰も憎めない。
だとしたら、そこにしか希望はない。
私たちは憎まず、ひたすら歩くしかない。
復讐を考えずに歩く。
報復を考えずに歩く。
私の脳裏にふいに言葉が浮かび、それが声になる。
それが声になる。声はこう言った。
生まれてきたっていいんだろ?

私にできることは他者(ひと)を憎まず、世界をも憎まないことだけで、それはつまり、態度としてはひたすら愛することだった。
私はそれを、私たちの態度(もの)になることを望んでいる。訴えるように希望している。
人生のある時点から私は態度を翻して、私はずいぶんと人を愛した。
ほとんど愚者だった。全き愚者、それでよい。

 

 

歩くような速さでだって、確実に世界を変えていく人

ああ、好きだ!!と思いました。この人が好きだ、すごい、そうなりたい、と。

そのときの私の日記にはこんなことが書かれています。

 

ドキュメンタリーの中で古川さんが口にしていた。

神を持たず祈りよりかかる巨きなものをもたないわたしたちは、敵を作りそれを憎んだ、と。そうしてしかバランスをとるすべを持たなかった。

だからこそ賢治の、銀河鉄道の夜をやろうと思った、と。

 

この劇は、古川さんたちの憎まないひたすらの歩みであり、愛そのものなのかも知れないと思った。

「私はそれを、私たちの態度(もの)になることを望んでいる。」と古川さんは書いている。確実にそれは届いていると思う。すこしずつ、この作品に触れた私たちを憎まない私たちへ変えているんだと思う、きっと。

 

どこまで享受できているのかわからない、だけど確実に届いたよ、と言いたい。

 

古川さんは、少しずつだって、できることをして、世界を変えていこうとしている人なのだと思った。叫び、うなり、だまり、どなり、祈り、汗することで。

 

 こうやって少しずつ歩くような速さでだって世界を変えていく人がいる。できることをやっている。すごいなと思う。自分にはなにができるんだろうな。

 

そのことを真剣に考えたくなった。そんな一日、そんな一夜でした。

 

 

 古川日出男さんは、古川さんの作品は、私にほんとうにいろいろなものを与えてくれました。

これからも、作品に親しみながら、少しでも私もそこへ近づけるように生きていきたいなと思います。まだそれがなんなのかも、わからないけど。

 

 

ああー!言いたい事がいっぱいあってすごく長くなっちゃったしまとまらなくなっちゃった!!

ここまでお読みくださった方、ありがとうございました。

 

ぜひ、古川日出男さんの作品、手にとってみてください。

 

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

 

まだ読めていないのだけれど、とても名作だと聞いているこの作品を次は読みたいなぁ〜〜!!

 

 

それじゃ!たまゆりでした!