たまゆりのたからばこ

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たまゆりの人生に詰まった、たくさんのだいすきなものを紹介するための自由帳です。 好きな本、好きな音楽、好きな映画、好きな場所や土地、旅のこと、登山のことや、日常のなにげないしあわせのことなどを大切に書いていきます。







はじめての女1人車中泊旅。宿は使わずに、1ヶ月で岐阜県から北海道の果てへ。【愛車と私の5年史 前編】

TRAVEL

 

今回、約5年間(正確には4年半くらい?)乗ってきた車を手放すことになりました。

数週間前から手続きを進め、ついに明日が車屋さんへの引き渡しの日です。

 

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この車が私の手元にやってきたのは、2012年の春。当時20歳になったばっかりの頃でした。

イタリア留学から帰ってきて免許を取った私の、はじめての車。

当時はぜんぜん無知で、ローンを組むということの意味すらよくわかっていなくて、でもやっぱり必要だし、買っちゃおう、とろくに考えも検討もしないで、流れに押されて購入してしまった車でした。

 

結局、そうして自分でよく考えずに手にしてしまったものは、いずれ手から離れて行ってしまう運命にあるのかもしれません。

 

なんだかずっと、身の丈に合っていないものを持っているような気がして、しっくりきていなかった部分があるのかもしれない。

そう思うと、今日まで、ろくに整備もしてあげていなかったし、掃除も洗車もしてあげていなかったな、と申し訳ないような気持ちになった。

 

ちゃんとお別れの前にお礼の意味をこめてきれいにしようと、今日、改めて明後日でお別れになる車を掃除していたら、気がつきました。

 

今までぜんぜん見ようとしてこなかったけれど、この車が、今まで私にどれだけたくさんのものを与えて、どれだけの素敵な経験をくれたのかを。

だから、ちゃんとお別れを言うために、感謝してありがとうって引き渡せるように、車のことを書いてみます。

 

 

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買いたての頃は、本当に近所のスーパーに買い物に行くだけでもこわごわで、ドキドキしながら乗っていたのを覚えています。

買ってから1年間は、ぜんぜん遠出もしたことがなくて、車は本当に生活のための道具だけでしかありませんでした。

 

その転機は、ひょんなところからすることになった、はじめての車中泊旅行でした。

岐阜県の山奥の温泉宿で住み込みのアルバイトをしていた帰りに、思い切って、日本中を旅することにしたのです。

 

生まれて初めての車中泊。

私の車は、ぜんぜんフラットになるわけでもないけれど、意外にも優しい寝心地をくれました。

 

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まだまだ遠出に慣れない運転で、岐阜県を北上して山の中をつっきり、富山県に出てからは、ひたすら海沿いに、本州の果てを目指して走っていきました。

そのときに生まれて初めて味わった、自由な感覚といったら!

 

毎日、高速道路はいっさい使わないで、見知らぬ街や道路を通り抜けて、いけるところまで走っては、近くに温泉と道の駅を見つけて、朝太陽の光で目が覚めるまで眠り、また走る。ひたすら北を目指す旅。

 

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車中泊の気ままな旅の良さを教えてくれた車でした。

今日、車を磨きながら、ああ、思えばあのときから、ずっとこの車は私を守ってくれていたんだなぁと思いました。

大きな事故もなく、ここまでいっしょに過ごせて、ほんとうによかったな。ありがとうねぇ。

 

 

そう、この時の旅がきっかけで、この時の旅がいしずえとなって、今の私はかたちづくられている気がします。

 

青森県の果てまでたどり着いた私は、生まれて初めてのカーフェリーに車ごと乗り込んで、北海道へ渡りました。

見るもの全てが新しくて、ほんとうに、今思い出してもすばらしい旅だったなぁ。

 

海のすぐ横にある新潟の不知火海の道の駅で眠って、朝一番に真っ青なはじめての海を見ながらお風呂に入ったこと。

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青森の恐山で、かざぐるまの群れを背に、そびえる宇曽利山を正面に、見たこともない色をした宇曽利湖の透明な水に足をひたしたこと。

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1日じゅう乗ったフェリーの中で入った、船の揺れに合わせて揺れる、あったかい海に入っているみたいなお風呂の湯船。

 

積丹半島で見た、生まれて初めての鮮やかすぎる海の色。この世のものとは思えない味の、新鮮なウニ丼。

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札幌のあたりから富良野まで抜ける暗い山道を、とても怖い思いをしながら走ったこと。

北海道に渡ったら寒くて眠れなくて、急遽寝袋を現地のホームセンターで買ったこと。北海道の果ての岬で、とってもせつない色の夕焼けを見たこと。

 

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十勝岳を見上げる望岳台の駐車場で、嵐の後、美しい夕暮れにちらちら光る美瑛の街灯りが見えたこと。そのあとやってきた夜の、火山の向こうから登ってくるまんまるい満月の神秘的なうつくしさ。

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数え切れないくらいたくさん入った、いろんな土地の温泉。どの銭湯も温泉も、その土地の家族が思い思いにくつろいだ時間を過ごしていて、胸があったかいような、少しさみしくなるような気持ちを味わったこと。

 

 

いままで、どうして忘れていたんだろうっていうくらい、あの旅で、私はこの車に守られていたんだなぁ。

 

私のある意味原点とも言える この旅のことを、最近あまり思い出して記憶を眺めることをしていなかったから、ほんとに懐かしい!

 

 

車を売るということを最初に思いついた時に、書いていた日記にも、こんなことが書いてあった。

車中泊旅行は本当にたのしかった。日本という場所を好きになった。

 

あてどなく、看板に導かれるまま走って、近くの温泉に地元のおばあちゃん、こども、おかあさんに混じって不思議な気持ちで入って、近所のコンビニやスーパーで、ビールや缶チューハイや、ときには地酒を買って、おつまみ買って、道の駅にすべりこんで、飲んで、眠くなったら寝て、外が明るくなって目が覚めたら起きて、またあてどなく走る。海を走る。山道を走る。夜を走る。草原を横目に走る。風車の列を抜けて走る。北の果てまで走る。いろんな場所へつれてってもらったな。

 

助手席のシートはいっぱいに倒してもななめで、寝袋にくるまって眠るとたまに腰やお尻がいたくて、それもたのしかった。

 

 

 

こちらの記事につづきます。

 

車を手放した理由や、実際にローンが残っていた車を手放すまでの経緯は、こちらの姉妹ブログの記事からどうぞ。

 

車のない生活、はじまりました。とってもすばらしかったです。